パースピレックス(perspirex)と乳がんの関係・科学的根拠は?
パースピレックスの主成分である「塩化アルミニウム」は、汗腺内で汗と反応し、ジェル状のプラグを形成して汗の分泌を抑える働きを持ちます。
このアルミニウム成分が乳がんのリスクを高めるのではないかという懸念が一部で取り上げられていますが、これまでの研究では、制汗剤に含まれるアルミニウムと乳がん発症との因果関係を示す科学的証拠は確認されていません。
国立医薬品食品衛生研究所の報告によれば、制汗剤からのアルミニウム摂取は、日常的に摂取するアルミニウムの総量に比べてごくわずかであり、健康への影響は極めて低いとされています。
パースピレックス(perspirex)について医療機関の見解と使用実績
多くの皮膚科や美容クリニックでは、パースピレックスを多汗症やワキガの治療に使用しています。
たとえば、聖心美容クリニックでは、パースピレックスの使用による重度の副作用は確認されておらず、肌質や状態によっては一時的な発赤やかゆみが生じることがあるものの、これらは軽度で一過性の反応とされています。
また、医師が回答する健康相談サイト「アスクドクターズ」では、塩化アルミニウムを含む制汗剤の使用と乳がんリスクについての質問に対し、複数の医師が「因果関係はない」との見解を示しています。
パースピレックス(perspirex)を安全に使用するためのポイント
パースピレックスを安全に使用するためには、以下の点に注意することが推奨されています
- 使用部位の状態:塗布前に、肌が完全に乾燥しており、傷や炎症がないことを確認してください。
- 使用頻度:初めの1週間は毎晩使用し、その後は週2〜3回の使用で効果を維持できます。
- 肌の反応:使用後に強いかゆみや発赤が生じた場合は、使用を中止し、医師に相談してください。
- 妊娠・授乳中の使用:妊娠中や授乳中の使用については、念のため医師に相談することが望ましいとされています。
まとめ
現時点で、パースピレックスの使用が乳がんのリスクを高めるという科学的根拠は確認されておらず、多くの医療機関でも安全に使用されています。
ただし、肌質や体調によって個人差があるため、使用中に異常を感じた場合は速やかに医師に相談することが重要です。